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労災事故で、労災保険以外に100万円を獲得して訴訟上の和解をした事例

(2018年10月24日判決)

A(男性、事故時22歳、身長173cm)は、足場組立・解体業を営む自営業者Bの従業員で、アパートの建設現場で足場解体中、2階足場から地上にいる同僚Cに足場を投げ下ろしていた際、2階足場から落下し、左頬骨骨折、左橈骨骨折等の傷害を負った。

Aの落下事故を目撃したのはCのみであり、CはAの高校の後輩で、Aの誘いでBの従業員になった。ただ、Cは本件落下事故の2か月後、Bを退社していた。
ところが、落下事故直後からAの落下原因について、次のとおり、AとCの言い分が異なっていた。

A:2階足場から地上のCに足場材を投げ下ろす際にバランスを崩して落下した。
C:Aはふざけて2階足場の垂直のパイプを掴み「吹き流し(鯉のぼりのように両手でパイプを掴んで体を水平にする)」をしていてバランスを崩し落下した。

労災の実地調査においてもAとCは上記のとおり述べたが、Aの落下事故は、高所作業において安全帯の使用を怠っていることが常態化していた等から業務上災害と認定された。

その後、Aは、上記アパート建設の元請D会社、一次下請E会社にはAに対する安全配慮義務違反があるとして、Dらを相手に、静岡地方裁判所に訴訟を提起した。なお、Bは二次下請けであった。

訴訟の争点もAの落下原因であり、本件落下事故から約4年後、Cの証人尋問が行われた。
なお、救急活動状況書、診療録等の証拠上、Aは「顔面から落下した」ことは明らかであった。

主尋問でCはAの落下原因は「吹き流し」であると証言し、反対尋問では「吹き流し」を始める前から地上に落下するまでの状況につき質問をして、Aの落下直前の体勢は「Aの足が地上2.5mの地点で、Aは垂直のパイプを両手で掴んでいた。

その後、Aの両手がはずれて体が左回転して顔面から落下した」というCの証言を引き出した。
このCの証言内容では「顔面から落下はしない。足から落下するのではないか。」と考えられたが、Cは「顔面から落下した」と証言を変えなかった。

最終準備書面提出後、和解期日がもうけられ、裁判官から「あえてCが嘘をつく理由がない」「100万円で和解できないか」との申し出があり、Aは和解に応じた。

Aの供述でも,Cの証言の真偽を、裁判官が確定的に心証をとれなかったものである。

被災労働者は,労災事故発生直後から証拠を固める必要があり,早期に弁護士に相談する必要がある。

この記事の最終更新日 2018年12月26日 執筆者: 弁護士 大橋昭夫

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